先日故障したHDDは今年の猛暑が要因の一つであると考えたため、冷却性能の高いケースに新調[1]することにしました。
現在使っているのがサーマルテイクのV9シリーズこと「VJ40001W2ZA」です。もともとゲーミング用PCとなっているため、標準で青色LED付きを含む4基のファンが搭載されています。
当初はミドルタワーでも十分だろうという思いでパーツを注文していたのですが、使っているうちに空きベイがどんどん無くなっていった上、ケース内部がケーブルだらけになってしまいました[2]。いくら冷却重視のゲーミングPCケースといっても、ケーブルがうじゃうじゃしていては、エアフローがまったく確保できないことでしょう。
そこで今回ケース選定のポイントにしたのは以下の4点。
- フルタワーサイズであること
- 裏配線が出来ること
- 3.5インチベイ+5インチベイの数が11以上あること
- ファンが4基以上搭載、もしくは増設できること
こうして見つけたのが同じサーマルテイク社の「ElementV」ことVL20001W2Zでした。ざっとスペックを挙げると次のようになります。V9とも比較してみました。
スペック | V9 | ElementV |
---|---|---|
ケースタイプ | ミドルタワー | フルタワー |
寸法(H x W x D) | 462 x 208 x 485 mm | 532 x 220 x 537 mm |
重量 | 6.29 kg | 14.13 kg |
サイドパネル窓 | 有り | 有り |
裏配線 | 不可(若干スペースはある) | 可 |
カラー | ブラック | ブラック |
材質 | 亜鉛メッキ鋼板 | 亜鉛メッキ鋼板 |
冷却ファン(標準/最大) | 4/4 | 5/8 |
ドライブベイ(5.25/3.5/2.5) | 4/7/0 | 5/6/1 |
拡張スロット | 7 | 7 |
対応マザーボード | Micro ATX, ATX | Micro ATX, ATX, Extend ATX |
フロントI/O | USB 2.0 x 2, HD Audio x 1 | USB 2.0 x 4, eSATA x 1, HD Audio x 1 |
実際に届いてみた第1印象は「ダンボールが巨大」でした。重量も2倍以上になっていますが、これはあくまでも「ケース内部が空」の時の値です。V9にはマザーボードを初めとするパーツが乗っていますので、「パーツ有りV9」と「空っぽElementV」を比較すると、それほど重くなった感じはしませんでした。…パーツを載せ替えるまでは。
載せ替えた後のElementVは非常にずっしり感があります。体重計にも載せられない大きさですので、正確な総重量は計測できませんが、体感的には30kgの米を持っているくらいでしょうか。一人だと抱きかかえるように持たなければならず、ぎっくり腰になる恐れがあります。
HDDを1つ700gと仮定して、それが8台載っているわけですから、これだけで5.6kgあります。CPUクーラーが900g、グラフィックボードが1.5kg×2…と、ここら辺で計算するのを辞めておきますか。
肝心の冷却性能は申し分ありません。システムドライブは2度ほど温度が下がりましたし、それ以外のHDDも軒並み30度~38度と室温+2~10度の範囲に入っています。
ElementVの上面にはファンコントローラーが着いており、LEDのカラー変更や回転数の調整ができます。が、5基のファンのうち、このつまみでコントロールできるのは3基のみ。残りのファンは一定の回転数で回っています。LEDがついていないファンが2基あり、これが制御できないファンのようです。
裏配線の楽しさも経験できましたし、実際にHDD温度が下がったので今回のケース変更は正解と言えそうです。