SONYカナル型ヘッドホン「MDR-EX600」レビュー

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MDR-EX600

先日、注文したSONYのカナル型ヘッドホン「MDR-EX600」を注文が到着したのでレビューをお届けします。ソニーのヘッドホンを使うのは数年ぶり。このヘッドホンを購入前はケンウッドのヘッドホン「KH-C711」を使用していましたので、そちらとの比較も合わせて行っています。再生プレイヤーはiTunes 10、および第4世代iPod touch(64GB)です。

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パッケージ

MDR-EX600 パッケージ

耳に付ける数cmの機械に対して、梱包されてくる箱の大きさにまず驚きました。付属品はそれほど多くないのに、縦17.5cm×横15cm×高さ8.5cmもの箱に入って届きます。1万円超クラスのヘッドホンの化粧箱というのはこれくらいが普通なのでしょうか。

エージング

早速エージングを開始します。今回は100時間ほどエージングを行いました。内訳としては76時間がピンクノイズ、残る24時間がiTunesでよく聴く曲25曲をひたすらリピート再生しました。

豊富なイヤーピース

MDR-EX600 パッケージ

EX600には全部で10種類のイヤーピースが付属します。内訳は次の通り。

ハイブリッドイヤーピース (7種類)
SS/S/MS/M/ML/L/LL
ノイズアイソレーションイヤーピース (3種類)
S/M/L

ハイブリッドイヤーピースとノイズアイソレーションイヤーピースの違いは2種類のシリコンの間にウレタンフォームが入っているか、入っていないかです。低反発ウレタンフォームが入っている方が遮音性が向上するため、私はノイズアイソレーションイヤーピースのMを装着しています。

iPod touchとの相性

MDR-EX600 パッケージ

アップルの第4世代iPod touchで再生してみた感想としては「曲によって印象が全然違う」でした。以下で紹介する曲はすべて320kbpsのMP3フォーマットで再生した場合の感想です。

君に届け / flumpool
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イントロのピアノ部分は非常になめらか。ボーカルはやや強調されて聞こえます。低音は小さく、高音のハイハットなどはやや大きく聞こえます。

敵との対峙 / Xenoblade Original Soundtrackより
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高音域が非常に伸びやかな反面、KH-C711では気がつかなかった低音の音割れが目立ちます。特に2:00以降がかなりひどめ。KH-C711だと音が割れている否か微妙でしたが、こちらはかなりはっきりと割れていることがわかります。

ひまわり / 葉加瀬太郎
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NHKの連続テレビ小説「てっぱん」のオープニングテーマとなっているこの曲。EX600の絶妙な高音域と低音域のバランスがよくわかる曲です。バックコーラスは本当に耳の後ろから、メインのバイオリンは耳の横から聞こえてきます。

MOON SIGNAL / スフィア
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女性ボーカルのアニメソングでもEX600のパフォーマンスはそこそこ発揮されます。低音があまり強くない曲ほど、女性ボーカルの声が延びて聞こえます。

総合的な音質評価

どの曲に対しても均等のパフォーマンスを発揮していたKH-C711に比べ、MDR-EX600は曲によって優劣がはっきり出ます。低音域が強い曲は予想以上に強調されて聞こえる為、本来気がつかなかったMP3レベルでの音割れに気がついてしまうかもしれません。

反対にインストゥルメンタルや女性ボーカルの曲は、中音域から高音域がバランス良く強調されるため、低音域がしゃしゃり出てくることはありません。男性ボーカルやメタルといった中低音域が強めの曲は不自然に低音ばかりが強調されて聞こえるため、あまり向いていないように感じました。

装着感

MDR-EX600

EX600と上位機種のEX1000で採用されているのが、耳の後ろにケーブルを通す「フレキシブル・イヤー・ハンガー」という装着方法。これが慣れるまでは結構苦労します。というのも、このハンガー部分が想像以上に柔らかく、ちょっとひねっただけですぐその形に固定されてしまうため。

うまく装着できた際はケーブルノイズがほぼ皆無になり、とても快適なのですが、外すときにハンガーが変形してしまう為、同じフィット感を味わうことは出来ません。付けるたびにハンガーの微妙な位置調整が必要になります。ここはもうすこし改善して欲しかったですね。

ケーブル

本製品には1.2mのケーブルと0.6mのケーブルが付属しますが、着脱式コードのため両方を同時に使用することは出来ません。1.2mの方だけプラグ形状がL字型なのは工夫されていると感じました。ただ、ケーブルが細い為、KH-C711以上に断線には注意が必要です。

総評

KH-C711と比べると、良くも悪くも低音や高音が強調されているように感じました。人や曲、はては音楽プレイヤーまで選ぶ中上級者向けのヘッドホンだと思います。iPod touchで聞くならKH-C711の方がまだ合っているのではないでしょうか。ソニーのウォークマンにロスレスフォーマットで音楽を入れている人にはおすすめできますが、iPod touchにEX600はややオーバースペックと感じました。

iPod touchで使用した場合の評価はお世辞にも満点とは言えませんでしたが、ヘッドホンの性能としてはかなり高いと思うので、近々別の音楽プレイヤーでも試してみたいですね。

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