2010年12月に発売されたNeed for Speedシリーズの最新作となる「ニード・フォー・スピード ホット・パースート」のレビューをお届けします。購入の経緯についてはゲーム機本体「PlayStation 3 (CECH-2500A)」を注文を、プレイ5時間時点での感想はPS3用ソフト「ニード・フォー・スピード ホット・パースート」ファースト・インプレッションを、プレイ20時間時点での感想はPS3用ソフト「ニード・フォー・スピード ホット・パースート」セカンド・インプレッションをご覧下さい。現在のプレイ時間は110時間ほど。
なお、Need for SpeedシリーズはMost WantedとUndercoverをプレイ済みです。
美しいグラフィックと、それ相応のロード時間
BMW M6 Convertible at Eagle Crest Road, 8:20am
本作は「警察vsレーサー」というドロケー要素ばかりにスポットが当たっていますが、グラフィックや効果音なども非常にリアルに作られています。道路も雨が降った後は水たまりが所々に出てきていますし、タイヤ痕やひび割れなども所々に見られます。レースゲーというと車の再現度ばかりに目が行ってしまいがちですが、コースや背景の完成度もかなり高めになっています。
また、海沿いを走ればカモメの鳴き声が聞こえてきたり、民家の下に停車すると家の中からラジオが聞こえてきたりと効果音の遊び心もかなり気合いが入っています。レースとは関係無しに好きなところを走れる「フリードライブ」があるゲームなので、このような小さいギミックはユーザーを飽きさせません。
グラフィックが向上すればロード時間が比例して長くなっていくのも仕方がないことで、本作のロードもそれ相応の時間となっています。レース中も随時ロードを行っている為、スタート直後にリスタートすると10秒程度で済むロード時間も、終盤にリスタートするとその倍待たされます。Xbox 360版やPC版はHDDにインストールするので、もうちょっと快適かもしれませんが。
Need for Speedシリーズ初のシステム「Autolog」
Nissan GT-R SpecV (R35) at Big Timber Pass, 7:04am
過去の作品を高く評価していた私としては、「警察vsレーサー」と聞くとまずMost Wantedのような壮大なストーリーのもとでの警察とのデッドヒートが思い浮かぶのですが、本作はストーリーを一切省いた代わりに、新しいシステム「Autolog」が組み込まれています。
Autologについてざっと説明すると。
- 本作のオンライン部分を支えるシステム
- オフラインのレースで出したタイムをフレンドと共有できる
- オンラインのレースでのマッチングなども本システムが行っている
- Webサイトも用意されており、ゲームの「プレイデータの閲覧」や「フォトモードで撮影した写真の閲覧、ダウンロード」ができる
といったところ。本作でオンライン対戦を楽しむにはネット環境はもちろんのこと、PSNアカウントをこのAutologと紐付けする必要があります。
ストーリーを省いた代わりに導入されたオンラインシステムですので、ネット環境が無い人がMost Wantedの続編として本作を購入すると、正直痛い目に遭うと思います。Autologはネット接続が必須ですし、その機能を使わないとなると本作は「オフラインで淡々とレースをこなしていくだけの作業ゲー」になってしまいます。
コンマ数秒を争う「フレンドとのデッドヒート」
フレンドになっているユーザーとはAutologの情報が自動的に共有され、どのコースで「誰が」「どの車に乗って」「何秒でゴールしたか」がゲーム本編・Webサイトから確認可能になります。これは私の「MUSCLE REFLEX」というコースのAutologですが、1位と2位、3位と4位のタイム差がコンマ2秒しかありません。
レースゲームのオンライン要素というというと、「フレンド同士で集まってレース」をすることや、「ランダムマッチで見知らぬ人と対戦する」というイメージが先行しがちですが、本作はこうして「オフライン上で出したタイムも競うことが出来る」点で一歩進んでいます。
もちろんフレンド同士のレースや、ランダムマッチも備わっていますが、それらを楽しむには一定程度プレイする時間が束縛されてしまいます。Autologはインターネット接続時に自動的にタイムなどが同期されるので、フレンドと一緒の時間にオンラインになる必要が無く、自分のペースでレースを行うことが出来ます。
オフライン上でプレイできるコースは110ちょっとしかありませんので、プレイ時間が70時間を過ぎたあたりからはパトカーとのデッドヒートというよりも、フレンドとのタイム差を削り合うことの方が楽しいと思えるようになりました。
派手なクラッシュを楽しもう
Nissan GT-R SpecV (R35) at Grand Ocean Road, 6:17am
ゲーム終盤になり、全コースを制覇してやることがなくなってきても、Autologを使えばフレンドがプレイし続ける限りずっと楽しむことの出来る本作ですが、一人でももちろん楽しむことが出来ます。先に挙げたようにフリードライブで自由気ままにドライブするのもいいですし、好きなところで一時停止してフォトモードに切り替え、おもしろい写真を撮ることに没頭することも可能です。
Ford GT at Hope Canyon Freeway, 12:06am
クラッシュでどこまで車を空中に浮かせることが出来るか、や…
Koenigsegg CCXR at Bear Hollow, 7:56am
反対にどこまで下に潜ることが出来るか、などなど。普通に写真を撮るだけなら飽きてしまいますが、AutologのおかげでPCからもゲーム内容が閲覧できるため、こうしてネット上にアップすることでより多くの人に見せることも可能です。
警察か、レーサーか
警察側にもレーサー側にもなれる本作ですが、119時間プレイした結果は警察27時間・レーサー91時間で圧倒的にレーサー側のプレイ時間が多くなりました。警察側は登場車種が48と少なく、イベントの難易度も比較的簡単なので、レーサーよりも早くレベルが上がりました。加えて、オンラインではほとんどレーサーとしてレースしていることも影響していそうです。
プレイ開始5時間の時点では「ストーリーがないカーチェイスなんておもしろくもない!」と酷評してしまいましたが、今では代わりに搭載されたAutologの楽しさにすっかりはまっています。加えて、これまでのシリーズになかったWebサイトとの連携も見逃せません。
すでにニード・フォー・スピードシリーズは次作「SHIFT2」の開発が始まっており、Autologも引き続き搭載されるとのこと。いつかPS3やXbox 360、PCでMost Wantedの続編が出る際にも、是非このAutologは搭載して欲しいですね。
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