NTT東日本は25日、フレッツ光の利用者向けにモバイルルータ「光ポータブル」のレンタルサービスを6月下旬より開始すると発表しました。ニュースリリースも出ています。利用料金は月々315円となっています。
製品画像を見る限り、バッファローの「Portable Wi-Fi」にそっくりです。あちらはバッファローとNTTBPが共同開発・発表しましたが、今回の「光ポータブル」はNTT東日本が提供するとしています。SIMカードスロット搭載である点を含め、製品仕様も「Portable Wi-Fi」ほとんど同じであることから、リリースには具体的な記述がないものの、こちらの製品も「Wi-Fi版iPadをNTTの公衆無線LANやドコモの3Gネットワークで使おう!」と言っているようなものです。
ドコモがiPad向けSIMカードの提供を断念を発表してから数週間。思わぬ形でiPadをドコモの3Gネットワークで利用する端末が日本通信のb-mobile WiFi、バッファローのPortable Wi-Fi、NTT東日本の光ポータブルと登場してきました。料金体系を整理しますと、次の通りとなります。
利用端末 | 本体価格 | 通信速度[1] | 年間費用 |
---|---|---|---|
b-mobile WiFi | 19,800円 | 上り/下り ともに300kbps |
1年目: 49,600円 2年目以降: 29,800円 |
b-mobileSIM | 29,800円/12ヶ月 | ||
利用端末/プラン名 | 利用料金(上限額) | 通信速度[2] | 年間費用 |
Portable Wi-Fi | 37,000円 | 上り 7.2Mbps / 下り 5.7Mbps |
1年目: 89,920円[3] 2年目以降: 71,820円 |
定額データプラン スタンダード バリュー |
5,985円/1ヶ月[4] | ||
利用端末/プラン名 | 利用料金 | 通信速度[5] | 年間費用 |
光ポータブル | 315円/1ヶ月[6] | 上り/下り ともに54Mbps |
1年目: 6,300円[7] 2年目以降: 6,300円[8] |
フレッツスポット[9] | 210円/1ヶ月 |
他の2社のサービスに比べて光ポータブルが異常に安く見えてしまいますが、この光ポータブルをレンタルできるのは「フレッツ光ネクスト」または「Bフレッツ」の契約者のみとなっている点は注意が必要です。あくまでもフレッツ光ユーザー向けの付帯サービスという位置づけ。また、ドコモの回線で利用したい場合は、結局「定額データプラン」を契約したSIMカードが必要になります。
一言でまとめるならば、iPadをドコモの回線で「安く利用したい、速度は問わない」場合は日本通信を、「FOMAハイスピード端末並の速度で通信したい、フレッツには契約していない」場合はバッファローを、「フレッツに契約している、iPadを10年以上[10]ドコモで使う予定はないけど試してみたい」場合はNTT東日本ということになるでしょうか。iPadの日本上陸効果はキャリアだけでなく、モバイルルータすらも価格競争に巻き込む事態となってきました。出版業界も含め、様々な業界がiPadの利用方法を模索する時代が到来しそうです。