「Microsoft Natural Ergonomic Desktop 7000」に付属のキーボード「Natural Wireless Ergonomic Keyboard 7000」には中央に「ズームスライダ」と呼ばれるギミックがついています。Internet Explorerなどの対応ソフト上でこのスライダを動かすと、文字サイズが大きくなり、快適に閲覧できる仕組み。
が、このスライダを利用することがあるかと言えば、多くの人がノーというのではないでしょうか。私自身も、「キーボードショートカットで出来ることなのに、なぜ専用スライダをつけたのか。むしろスクロールスライダにしてくれ」と思っていました。
で、調べてみたところあっさり解決したのでエントリーに起こしてみます。結論から書けば「IntelliType Proフォルダ内のXMLファイルを書き換えることで、キーバインドを自由に変更できる」ことを利用するというもの。
マイクロソフトのキーボードをお使いの方は必ずインストールしているIntelliType Proですが、このファイルが実行されているフォルダ内に、commands.xmlと呼ばれるファイルがあり、これを書き換えることで好みの挙動に設定することが可能になっています。
以下、記事執筆時点の最新版である「IntelliType Pro 7.0 64ビット版」で設定した内容を記述していますが、32ビット版でも同じように設定できるはずです。
まずはcommands.xmlを探します。IntelliType Proのインストール先を変更していない場合は以下のフォルダに存在するはずです。
C:\Program Files\Microsoft IntelliType Pro
このフォルダ内にあるcommands.xmlを念のためコピーし、commands.bakなどにリネームしてから元のXMLファイルを開きます。2007行目以降に次のような記述があると思います。
<ALL>
<Application UniqueName="StandardSupport">
<C309 Type="5" KeySeq="ctrl F4" />
<C201 Type="5" KeySeq="ctrl c" />
<C200 Type="5" KeySeq="ctrl x" />
<C301 Type="5" KeySeq="alt F4" />
<C302 Type="5" KeySeq="F1" />
<C202 Type="5" KeySeq="ctrl v" />
<C203 Type="5" KeySeq="ctrl z" />
<C205 Type="5" KeySeq="delete" />
<C100 Type="5" KeySeq="alt leftarrow" />
<C101 Type="5" KeySeq="alt rightarrow" />
<C103 Type="5" KeySeq="escape" />
<C300 Type="5" KeySeq="enter" />
<C319 Type="6" Activator="ZoomIn" />
<C320 Type="6" Activator="ZoomOut" />
太字の部分を見ればわかると思いますが、これがズームスライダに割り当てられているコマンド。つまり、「C319 Type="6"がスライダを上に上げたときの挙動」で、「C320 Type="6"がスライダを下に下げたときの挙動」になっています。今回はこれをスクロールスライダに変えたいので、2021行目と2022行目を以下のように書き換えます。
<C319 Type="6" Activator="ScrollUp" />
<C320 Type="6" Activator="ScrollDown" />
書き換えた後保存して設定完了。あとはPCを再起動するか、タスクマネージャから「itype.exe」を強制終了させたあと、同フォルダ内にあるitype.exeを実行すると設定が反映されます。
このXMLファイルを眺めているとアプリケーションごとにキーバインドを変更できるようになっているため、「Firefox上でスライダを動かすとスクロール」「iTunes上でスライダを動かすと前曲/次曲へ」といった使い方も出来そうです。XMLファイルで記述されているため、こうした改造も簡単にできますね。このマイクロソフトの柔軟性は大いに評価したいところ。
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