アップルは20日、新製品発表イベント「Back to the Mac.」において、次期Mac OS Xとなる「Mac OS X Lion」とiLifeの最新バージョンとなる「iLife ’11」、そして「MacBook Air」のアップデートを発表しました。
Mac OS X Lion
事前の噂通り、次期OS Xの名称は「Lion」でした。プレスリリースも出ています。Mac OS X LionはiOSで培ったノウハウをMac OSに還元するかのような機能強化が行われています。
Mac App Store
iPhone/iPod touch/iPad向けにアプリを提供する場、App StoreのMac版「Mac App Store」のビルトインが発表されました。スクリーンショットを見てもわかるとおり、iLifeやiWorkに含まれているソフトも単体で購入することができるようになる見通し。こちらは「まもなく」とあるとおり、Lion以外のMac OS Xでも近日中に提供されるようです。
Launchpad
iPadのホームスクリーンのようなこの画面もLionの新機能の一つ。もちろん、フォルダ分けも可能です。DockからLaunchpadをクリックすると、通常のデスクトップがフェードアウトして、このような画面になるとのことで、Launchpadとデスクトップアイコンは混在しないようになっています。
フルスクリーンアプリの拡充
こちらも画面だけ見てみればiPadそのものですが、Lionの新機能です。iPad Appsを使うのと同じような感覚で、トラックパッドを使ったアプリの操作が可能となっています。
Mac OS X Lionの発売は2011年夏を予定、それに先駆けて新機能の一つ「Mac App Store」は2010年11月より、アプリの受付申請が始まり、90日以内にSnow Leopard向けにリリースされる予定です。
ILife ’11
iPhone, iMovie, GarageBand, iDVD, iWeb (昔はGarageBandとiWebの代わりにiTunes)がセットになった「iLife」も2011年バージョンが発表されました。プレスリリースも出ています。発売日は本日、価格は4,800円となっています。Macを新規に購入した方には680円でアップグレード可能です。
MacBook Air
ここ1年アップデートが無かった「MacBook Air」も新モデルが発表されました。プレスリリースも出ています。MacBook Air初の11インチ、13インチの2モデル体制で、価格はそれぞれ88,000円~、118,800円~となっています。
今回のアップデート最大の特徴は、全モデルにSSDが標準装備されたこと。CPUはIntel Core 2 Duoを搭載し、メモリは標準で2GB、Nvidia GeForce 320M搭載という構成になっています。薄くて高スペックというよりは、薄さを維持したままスペックと価格を抑えたアップデートになりました。薄さを求めないのであれば同じ価格となったMacBookを購入するのも一つの手ではあります。
このほか、iOS 4で発表された「FaceTime」のMac版もイベント内で発表されました。これで、MacとiPhoneを使ってFaceTimeでビデオチャットが可能になります。現在はApple – FaceTime for Macからベータ版がダウンロード可能です。対応OSはSnow Leopard 10.6.4以降となっています。
予想通りMac OS X Lionが発表されたわけですが、iOSを取り込んできたのは予想外でした。iPadがiOS搭載であり、Mac OS X搭載でなかった理由はMac OSがタッチパネル操作に適したOSでは無いからだと思っていたのですが、今回の発表を見る限り、そうではないのかなと思います。
Windowsほどではありませんが、インターネット上にはMac OS X向けのフリーソフト/シェアウェアがたくさんあり、それらをMac App Storeが一元管理しようとするのもいいアイデアではあります。ただ、ここでフリーソフトを公開する場合でも、アップルに年間参加費10,800円を払う必要があることを考えると、フリーソフトをわざわざMac App Storeで公開する理由はそこまでない気がします。Mac上のソフトウェアがどれほどApp Storeで公開されるかも、今後の注目ポイントとなりそうです。