2010年4月にAdobeがiPhone向けFlashの提供を断念したことを発表しましたが、それに対するアップルの回答がThoughts on Flashというタイトルで公式サイトに掲載されました。文末にはSteve Jobsの名前がついていることから、アップルCEO自らFlashをiPhone OSに採用しない理由を説明していることになります。
大きく6つの項目にわたって理由を説明していますが、一言にまとめると以前から言われているように「FlashはいずれHTML5に置き換わる」ということ。Macがクラッシュする理由の1位はFlashであり、バッテリーも消費する、そもそもFlashはマウスを使うことを前提に作られているため、タッチ操作に合うプラットフォームではない等々、FlashをiPhoneに搭載することのデメリットをあげ、「Adobeもアップルを非難していないでHTML5用開発ツールを作ってはどうか」と強烈な締めくくり方をしています。
アップルは1998年、当時主流だったSCSIやシリアルポートを捨て、USBを採用したMacを発表したり、2001年にiPodを発売したことで「デジタルオーディオプレイヤー」を一般に知らしめるなど、過去にいくつものデファクトスタンダードを作り上げてきた実績があります。今回も「今現在の主流はHTML5よりFlashだが、いずれはFlashが廃れるときが来る」というのを見越しての文章なのでしょう。ある意味で潔く、ある意味で先進的すぎるとも言えるこの文章は、数年後にどう評価されるのか楽しみでもあります。