アップルは9日(日本時間の10日)、新製品発表イベント「It’s only rock and roll, but we like it.」で様々な新機能を搭載したiTunes 9やiPodファミリーのアップデートを発表しました。プレスリリースも出ています。
iTunes 9
プレスリリースはApple、iTunes 9を発表から。
iTunes LP
アップルの新しい音楽配信の形「iTunes LP」では高音質の音楽ファイルに加えて高品質のアルバムジャケットや歌詞カード、インタビューや写真集が付いた新しいパッケージ販売の形です。
iTunes Extras
こちらはiTunes LPの映画レンタルサービス版。通常の動画に加えてコメンタリーやカットされたシーンが含まれています。iTunesでの映画レンタルが始まっていない日本のストアでは残念ながら未対応となっています。
ホームシェアリング
iTunesライブラリを共有する機能が更にパワーアップ。これまでのストリーミング再生に加えて、ホームシェアリングを利用すれば5台までのWindows/Macにライブラリの楽曲を転送することができます。
これまでインターネットに繋がっていなければストリーミング再生を利用できませんでしたが、この機能を使えば、自宅のデスクトップマシンからノートPCへ楽曲を転送し、インターネット環境がない出先でも、デスクトップマシンとまったく同じライブラリを共有することができるようになります。
Genius Mix
iTunes 8から搭載された自動プレイリスト作成機能の「Genius」。原理はiTunesライブラリの内容を匿名でアップルに送信、解析し、ユーザの好みを分析して、プレイリストを自動生成したり、おすすめの楽曲をiTunes Storeから紹介してくれる機能です。
iTunes 9では2,700万以上のユーザから提供されたデータを解析に利用するGenius Mixにパワーアップ。ユーザのライブラリ内容から相性の良い曲を抽出、12個のエンドレスミックスプレイリストを生成してくれるようになりました。
iPhoneのApp管理がiTunesから可能に
iPhone, iPod touchユーザにはうれしいニュース。iTunesからiPhone/iPod touchのホーム画面のアプリの並び替えが可能になりました。複数のアプリを一度に転送や削除しても、直感的にアプリアイコンの順番を変更可能に[1]。
その他細かい改良
そのほか、Twitter, Facebookとの連携機能が付いた[2]り、同期する楽曲を「指定したプレイリスト」「チェックマークの有無」だけでなく、「アーティストごと」「ジャンルごと」など細かい同期条件の設定が可能になったほか、iPhone向け着信音の販売も始まるなど、細かい点でも改良が行われています[3]。
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iPod touch
プレスリリースはApple、新しいiPod touchのラインアップを発表から。
iPod touchは価格改定と新しく64GBモデルが加わったほか、OpenGL ES 2.0に対応し、iPhone 3GSと同じレベルまで内部ハードウェアも強化されました。噂されたカメラ機能はなし。
第2世代iPod touchとの価格比較はこちら。
ラインアップ | これまでの価格 | 新価格 | 差額 |
---|---|---|---|
8GB | 27,800円 | 19,800円 | -8,000円 |
16GB | 35,800円 | 在庫限り | – |
32GB | 47,800円 | 29,800円 | -18,000円 |
64GB | – | 39,800円 | (32GBと比較して) -8,000円 |
8GBモデルは円高の影響もあってか、2万円を切る価格まで値下げされました。そして、iPhone 3GSには無い64GBモデルが追加に。
さらに16GB, 64GBモデルにはインラインリモコンとマイク付きヘッドホンが付属してくるため、iPhone同様音声コントロールが利用可能になりました。
8GBモデルには通常のヘッドホンが付属してきますが、内部構造は他のモデルと同じのため、アクセサリ品として発売されるマイク付きヘッドホンを接続すれば同じように音声コントロールが利用可能になるものと思われます。
iPod classic
プレスリリースは出ていないものの、classicもアップデートされています。アップデート内容は「価格を据え置き容量を160GB」に、というもの。ただ価格を据え置きは米ドルでのお話。
日本円に直すと従来の120GBモデルより5,000円安い24,800円になっています。
iPod shuffle
プレスリリースはAppleのiPod shuffle、新価格は5,800円からから。
iPod shuffleも価格改定と新しく8GBモデルが追加になりました。以前のiPod shuffleとの価格比較はこちら。
ラインアップ | これまでの価格 | 新価格 | 差額 |
---|---|---|---|
2GB[4] | 7,800円 | 5,800円 | -2,000円 |
4GB | 8,800円 | 7,800円 | -1,000円 |
第3世代で一度4GBモデルに一本化されたshuffleですが、今回発表されたモデルで2GBが復活しました。さらにアップルストア限定の全面鏡面仕様の「ステンレスモデル」も発売されることに。
価格も特別な9,800円。容量は4GBモデルのみとなっています。
iPod nano
プレスリリースはApple、ビデオカメラ内蔵の新しいiPod nanoを発表から。
今回1番のアップデートが行われたのがこのiPod nano。カメラ内蔵で映像撮影に対応したほか、Nike+やFMラジオにも対応しました。
液晶は2.2インチに拡大されたほか、先に述べた新機能に加え、標準で万歩計機能を搭載[5]。iTunes 9に搭載されたGenius Mixにも対応しています。
価格改定も行われました。第4世代iPod nanoとの価格比較はこちら。
ラインアップ | これまでの価格 | 新価格 | 差額 |
---|---|---|---|
8GB | 17,800円 | 14,800円 | -3,000円 |
16GB | 23,800円 | 17,800円 | -6,000円 |
nanoを除き、小さなアップデートにとどまったiPodファミリーですが、価格は1,000~8,000円も安くなりました。大幅なアップデートになったnanoでさえ上位モデルは6,000円の値下げ。これまで「iPodはかっこいいけど高くて手が出せない」と思っていた人にもアップルは囲い込みを掛けてきたような印象です。
個人的には第1世代iPod touchが未だに現役なので今回のラインアップからマストバイな商品は無し。iTunesのアップデートにとどめることにします。