46年ぶりの皆既日食、映像転送を支えていたのは超高速インターネット衛星「きずな」

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46年ぶりの皆既日食

© NHK(Japan Broadcasting Corporation)

日本で46年ぶりに皆既日食が観測されました。NHKや民放局ではこぞって中継映像を放送していましたね。私もテレビ中継を楽しんでいました。
このうち、硫黄島からの中継は迫力がありました。あたりがゆっくり暗くなり、ダイヤモンドリングが見えてから皆既日食に入り、プロミネンスが確認できる様子は言葉を失い、画面に釘付けになっていました。

46年ぶりの皆既日食

© NHK(Japan Broadcasting Corporation)

ところで、この映像は「自然科学研究機構国立天文台」「情報通信研究機構」「宇宙航空研究開発機構」という3つの機構の協力によって実現していることがわかりました。確かにインターネット回線が引かれていない硫黄島から、このようなハイビジョン映像を生中継するのはNHKだけでは不可能です。
それを実現しているのが宇宙航空研究開発機構(JAXA)の衛星「きずな」でした。

皆既日食映像 転送の仕組み

硫黄島からの複数のハイビジョン映像は、155Mbpsの速度で「きずな」に送信されます。「きずな」はアクティブフェーズドアレーアンテナ(APAA)を用いて硫黄島からの電波を受信、小金井の可搬型地球局(JAXA)またはNICT鹿島宇宙技術センターにIP伝送します。本土内の地球局からは高速の地上ネットワーク「JGN2plus」などを経由し、国立天文台などに届けます。中継映像は公共天文台などに向けて配信される予定です。

via JAXA|超高速インターネット衛星「きずな」による皆既日食の映像伝送について

きずなは「超高速インターネット衛星」という冠が付いているとおり、ベントパイプ型の衛星中継モードを用いれば、世界最高速の1.2Gbps伝送が可能な、まさに桁違いの衛星になっています。今回は小型地球局(VSAT)を用いて最大155Mbpsに速度を落として転送していますが、それでも一般家庭向けの光ファイバー回線よりも数倍速い速度です。

美しい映像の生中継の背景には、宇宙規模の技術が使われていたのでした。「きずな」の伝送実験も兼ねて行われた今回のハイビジョン中継、無事に成功して良かったですね。

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