© Kenji Inoue/PUBLISHED BY ENTERBRAIN, INC./バカとテストと召喚獣製作委員会
最近はアニメの視聴スタイルが変わってきた気がします。以前までは、
- 原作を未読でアニメを録画、視聴する
- 感想を記事に起こす
という感じでしたが、最近は…
- 原作を未読でアニメを録画、視聴する
- 数話見ておもしろそうだったら視聴を中断する(録画は継続)
- 原作を読む
- 読み終える頃に1クール終わっているので、最初から視聴し直す
というパターンになりつつあります。これも液晶テレビREGZA 47Z8000を買った事による録画環境の変化が理由にありそうです。
前置きが長くなりましたが、そのパターンの一つに2010年1月から放送されていたアニメ「バカとテストと召喚獣」があげられます。現在発売されている原作全10冊を読み終わったのでさくっとレビューをしてみます。
バカとテストと召喚獣
1冊目。ライトノベルを読むのは涼宮ハルヒシリーズ以来3年ぶりということもあって、結構新鮮な気持ちで読むことが出来ました。思った感想は「文字だけでこんなに人を笑わせることが出来るのか」という驚きも混じったものでした。
試験召還戦争そのものはアニメの第1話で内容を把握していたので、本書の独自システムは割とすんなり頭の中で描くことが出来たのですが、それ以上にキャラクターの特徴を文字だけでここまで表現できる作者の井上 堅二さんには脱帽せざるを得ません。久々に本を読んで爆笑してしまいました。
バカとテストと召喚獣2
2冊目。表紙の島田美波が可愛い本巻のメインストーリーは学園祭。第1巻のキャラクターの壊れ具合がさらにパワーアップした感じです。特にヒロインの姫路瑞希の壊れっぷりと、主人公 明久のズレがなんとも絶妙な駆け引きを演じています。明久はバカだとわかっていても頭の中で「コイツ、バカだ・・・」と何度もつぶやいてしまいました。
バカとテストと召喚獣3
3冊目。今回のお話は女子風呂を覗きに行くために勉強するという、本能だけで行動する男子高校生をノベライズしたもの。このあたりから翔子の存在がおもしろくて、明久とはまた別の部分の笑いのツボをうまく刺激している感じ。ただ、当初の目的であるAクラスの設備を手に入れるための試召戦争とは離れた、ある意味間違った召喚獣の使い方がマンネリ化してくるのもこのあたりから。これが残念と言えば残念な点かも。
バカとテストと召喚獣3.5
4冊目はこれまでの話の間を結ぶショートストーリーがつまっています。第2巻で突然出てきた葉月の存在もわかってすっきりしました。それにしても表紙の秀吉。バカテスを全く知らない人に見せたら100人中100人が女性と答えるでしょうね。葉賀 ユイさんのイラストも本文と併せてこのあたりからじっくり観察するようになりました。
バカとテストと召喚獣4
5冊目。第3巻の終わり方があまりに衝撃的だったため、正直ショートストーリーを飛ばしてこっちが読みたくなるほど気になっていました。ラブコメ色が強く出ている巻だと思います。アニメでは第2話で初登場する清水美春が本巻の表紙。そのキャラクター性と特徴が「とある科学の超電磁砲」に出てくる白井黒子とかぶるのですが・・・(そう思っている人は私だけではないハズ)。
バカとテストと召喚獣5
6冊目は明久の姉、玲が初登場。この人も十分バカでした。というか、このあたりから「この本を読んでいるとバカの基準がわからなくなる」症状が進行していったような気がします。性別の垣根を越えた関係がさらに進行していき、もはや「性別って何」という哲学的問いの境地まで達しそうなバカストーリーでした。
バカとテストと召喚獣6
7冊目。先のマンネリ化を引きずるように、今回のメインは召喚獣を使った肝試し企画。個人的に、本巻は美波の女らしさが存分に出ていたように思います。いつもは強がって関節技ばかりかけている美波がおとなしく明久の指示に従うあたり、女の子なんだなぁと実感。いや、関節技はかけてるんですけどね。
バカとテストと召喚獣6.5
8冊目は木下姉妹がメイン。秀吉の姉、優子さんもやっぱりバカでした。バカというより、ただの変態・・・?そういう印象を植え付けてしまったのは弟の秀吉に他なりません。せっかくの主役抜擢にもかかわらず、優子さんは私の中でいきなり変なポジションに飛んで行ってしまいました。
バカとテストと召喚獣7
9冊目は第3巻と同じく、男の本能のままにクラスがまとまるお話。この団結力、もっと勉強に回せばAクラスなんて簡単に打破できると思うんですがねぇ。今回は神童と呼ばれる雄二が初めてスランプに陥る回でもあります。自身は認めなくとも、好きな人のためになら本気になれるという事を身をもって証明しています。
バカとテストと召喚獣7.5
10冊目。最後のショートストーリーが今までにない感動話になっています。美波の過去がここまで壮大だったとは。なぜ明久を好きになったのか、その原点がわかり合点がいきました。こうなると瑞希の過去も気になってきますね。いずれはショートストーリーで描かれることになるんでしょうか。
個人的に大爆笑したのは第3巻の第3問。小型の録音機を使ってムッツリーニと工藤さんが明久の供述を詐称するシーンは涙が出るほど笑いました。3年ぶりに読んだライトノベルでしたが、結果は大満足。これで心置きなくアニメ視聴を再開できます。